人並み

わからなくなってきている。今まで自分がこうだと思ってきた信念や、やりたいと思っていたこと、好きだと思っていたこと。こう生きたいだとか、こう生きるべきだとか。楽しいことってなんだっけ。何がなんだかわからなくなってきている。仕事以外の時間で、考える時間をもってしまうと混乱してしまう。いろいろ見失ってしまった。見失ったのか、もともと虚像を追いかけていただけなのか。何もわからない。

人並みを手に入れて何になるのか。何にもならない。死ぬまで他人の目が優しくなるくらいか。どうせどんな状況になってもそれなりに生きていくし、あるタイミングで死ぬし。本心はどうでもいい。人から立派と言われて、すごいじゃんと言われて、自己顕示欲が満たされる。でも、本心とは違うからもらった言葉も抜け落ちていく。

なんで僕は全てはどうでもよくて無価値であとは死ぬだけだと気付いたのに、必死で人並みを手に入れたのだろうか。劣等感が強烈に反応したからだろう。自分の信念やぶれない考えとか、そういう高尚なものではなかった。ただ自分が惨めでいやで、そういう自分が他人の目にさらされることを自分が嫌悪したから、必死になった。

自分がわからなくなってしまった。自分というものはなくて、ただその時の欲と刺激に反応している何かにしか過ぎないっぽい。これから、どう生きればいいかわからなくなってしまった。自分の本心とはずれていると自分で知りながら、さらなる人並みを獲得すべく婚かつに奔走するのか、何か趣味に没頭するのか。いまは自分を和らげるものにしか触れていないし、触れたくないのかもしれない。