左手

僕はもともと左利きだった。幼稚園のころ直された。だから左右盲なのだと思う。左右盲とは、右か左かの判断を求められる場面で、どっちがどっちか分からなくなってしまう現象だ。たとえば僕なんかは、運転していて、「そこ右ね」と言われても間違えて左にハンドルを切ってしまうことがある。特に直前に言われるとパニクって「どっち!?!?」「いやだから右!」「だからどっち!!(半ギレ)」みたいなやり取りをしてしまう。

西と東も考えないとよく分からない時がある。アメリカ西海岸とか言われると、どっちだ??ってなる。地理とか世界史の授業のときにけっこう困った記憶がある。よく考えないと分からない。

結局方位に関する相対的な概念がよく分からないのだ。なぜなら、「利き手」という絶対的な基準を失ってしまったから。普通の人は、「お箸を持つ手が右手で、お茶碗を持つ手が左手だよ~」って教えられてしっくりきたと思う。でも当時の僕にはまったく分からなかった。今でも間違えて茶碗を右に置いてしまうこともあるし。

なんかそんなことをちょっと前に思い出したので、左手を使ってみようと思い立った。なんとなく、自分を取り戻せるんじゃないかと思ったから。左手でマウスを使うようにしたら、3日くらいで慣れた。左手で文字を書く練習をしたら、割とすぐに中学生が書くような字は書けるようになった。

そして、また左右がよく分からなくなった気がする。